2007年09月09日
ダーウィンの悪夢
監督:フーベルト・ザウパー
収録時間:105分
レンタル開始日:2007-07-06
Story
一匹の魚から始まった“悪夢のグローバリゼーション”に迫るドキュメンタリー。アフリカ最大の湖・ヴィクトリア湖。半世紀前に放流された外来種の肉食魚・ナイルパーチから派生した弱肉強食のグローバル経済の本質を(詳細こちら)
マイナーなドキュメンタリー作品なのですが、衝撃を受けてしまったので、「ダーウィンの悪夢」をご紹介したいと思います。
最近、アフリカを題材にした映画が多いと思いませんか? 今欧米主体のグローバリゼーションの問題が世界的に注目されているということなんでしょうね。
この映画の舞台はタンザニア。タンザニアでは、「ナイルパーチ」という、半世紀前に放流された外来の肉食魚が、国の重要な輸出産業になっているのですが、現実にはタンザニアの人々はこの魚を食べることができません。この魚は、完全に輸出用で、高額すぎるんです。
彼らは、魚を加工した後に出る残骸を集めて食べます。工場は欧米人が作っているので最先端ですが、それ以外にはめったに冷蔵庫なんてないので、そのまま乱暴に屋外に放置され、うじが湧いたような魚を、女達が街に売りに行くのです。
実際にこの魚を捕っている漁師達は貧しく、しかも、湖にはワニが生息しているため、漁の最中にワニに襲われ命を落とす者も少なくありません。命がけです。そして、怪我をしたり、病気になっても医者がいないので、治療が受けられません。働けなくなった者は、まだ体が動くうちに、地元に返されます。これは治療のためではなく、漁場で死んだ場合、死体を運ぶのに高いお金がかかるので、死ぬ前に地元に返されるのです。
また、漁師達が住む集落には、娼婦達も群がってきます。その娼婦達の、AIDS感染率は高く、その結果漁師達の間にもAIDSが蔓延しているといいます。
娼婦達のほとんどは、生きるために体を売っています。高級娼婦は、欧米にナイルパーチを運ぶため、やってきた欧米人のパイロットを相手に商売をしています。若い娼婦(まだ10代だと思われる)は、本当はちゃんと学校に通って勉強をしたいのだといいます。でも、現実にそんな余裕はありません。
今ここに書いたのは、この映画のほんの一部です。
日本でも、最近貧富の差が激しくなってきているといいますが、タンザニアは、社会全体に貧困の連鎖が蔓延っています。将来のことなど考えている余裕はありません。今日、明日を生きるためにどうするか考えなければならず、そんな親達に捨てられた子供たちは、仲間を作り、屋外で寝起きをしています。
世界には、こんな国がきっとたくさんあるんでしょうね。私達も含め、先進国は、そんな人々の命の上に、胡坐をかいて生活しているのかと思うと、本当にこれでいいのかって憤りを感じずにはいられないのですが、何ができるわけではありません…。
でも、少しでも多くの人に、この現実を知ってもらいたいと思うので、レビューを書きました。かなり重い話ではありますが、グローバリゼーションの問題に興味のある方は、是非一度観てください。
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